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平成10年12月定例会(第5号12月15日)

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  1. 田辺市議会 1998-12-15
    平成10年12月定例会(第5号12月15日)


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    平成10年12月定例会(第5号12月15日)             田辺市議会12月定例会会議録             平成10年12月15日(火曜日)            ――――――――――――――――   平成10年12月15日(火)午前10時開議  第 1 一般質問            ―――――――――――――――― 〇会議に付した事件  日程第1            ―――――――――――――――― 〇議員定数 20名 〇欠  員  0名            ―――――――――――――――― 〇出席議員             議席番号   氏   名               1番  田 中 康 雄 君               2番  芝 峰   進 君               3番  鈴 木 太 雄 君               4番  大久保 尚 洋 君               5番  棒 引 昭 治 君
                  6番  高 垣 幸 司 君               7番  家根谷   覚 君               8番  天 野 正 一 君               9番  浅 山   勉 君              10番  山 本 紳 次 君              11番  初 山 丈 夫 君              12番  山 口   進 君              13番  宮 田 政 敏 君              14番  松 本 定 市 君              15番  大 倉 勝 行 君              16番  八 山 祐 三 君              17番  森   哲 男 君              18番  青 木 伸 夫 君              19番  稲 沢 勝 男 君              20番  熊 野 芳 和 君            ―――――――――――――――― 〇欠席議員  なし            ―――――――――――――――― 〇説明のため出席したもの             職  名      氏     名             市 長      脇 中   孝 君             助 役      鈴 木 信 行 君             収入役      柴 田   修 君             教育長      角   莊 三 君             水道事業管理者  弘 末   勉 君             企画部長     室 井 修 一 君             企画広報課長   衣 田 秀 雄 君             南部センター館長 前 田   稔 君             総務部長     八 百 耕 貮 君             総務課参事    山 崎 清 弘 君             市民課長     小 川 和 己 君             保健福祉部長   田 中   憲 君             生活環境課長   原 崎 喜 一 君             やすらぎ対策課長 福 田 徳 一 君             経済部長     平 本 寿 男 君             経済課長     杉 坂 繁 一 君             水産課参事    坂 上 克 己 君             建設部長     高 橋 進 一 君             理  事     田 中 秀 章 君             理  事     古 谷 利 男 君             土木課参事    大 木 正 利 君             建築課長     橘   長 弘 君             消防長      砂 野 啓 三 君             消防署参事    中 本 博 信 君             教育次長     清 水 節 雄 君             学校教育課長   岡 山 雅 行 君             理  事     矢 倉 靖 彦 君            ―――――――――――――――― 〇出席事務局職員             議会事務局長   木 村 一 美             議会事務局次長  川 端 清 司             議会事務局主任  福 井 量 規             議会事務局主査  前 溝 浩 志 開 議 ○議長(稲沢勝男君)    定足数がありますので、ただいまからお手元に配付の日程により、平成10年第6回田辺市議会定例会5日目の会議を開きます。               (午前10時03分)            ―――――――――――――――― ◎日程第1 一般質問 ○議長(稲沢勝男君)    それでは、日程に入ります。  日程第1 一般質問を行います。  1番、田中康雄君の登壇を許可いたします。              (1番 田中康雄君 登壇) ○1番(田中康雄君)    おはようございます。1番議員の日本共産党田中康雄でございます。通告しております質問は、四点ございますが、その順序に従いまして、質問をさせていただきます。  まず、一つは、文里港湾整備計画でありますが、これを中止されたいと、こういう項目です。97年度決算で、田辺市の借金が391億円、この4年間に176億円増えたと。公債費比率が20.5パーセント、「これからも税収の伸びは期待できない」と、市長は、青木議員の質問にお答えになりました。大変な事態ですが、市民の税金をどこに、どう使うのかという問題が、鋭く問われています。今、文里湾の港湾整備計画がありますけれども、私は、これまで3回質問をして参りました。ここで、これほどの無駄遣いはないと指摘もして参りました。先日も、西牟婁の地域振興局と懇談をして参りましたが、計画面積は4.5ヘクタール、利用目的は、田辺市と調整中ということでありました。「県からこんなもの押しつけてくるな」と、こう言いますと、中原局長が、わざわざですね、「これは田辺市のたっての希望で行われるものです」と、こういうことです。何をか言わんやでございます。そこで質問をいたします。  事業計画の内容、これを明らかにしてほしいということでありますが、工事の概要、位置、面積、バースの長さ、着岸最大トン数ですね。それから、航路の掘削を行うというような話が前にはございましたが、これがどうなるのか。二つ目には、事業費でありますが、今までは総事業費120億円、これの田辺市負担分が20億円、埋立事業費、田辺市が単独で行うということで40億円、こういうふうに聞いております。総事業費はどうなるのか。それから、この事業費の分担の割合ですね、国、県、田辺市が負担しなければならない額、田辺市の額を教えていただければというふうに思います。次に、利用計画ですが、県は先ほど申しましたように、「田辺市と調整中」と言ってますけれども、まだ利用計画が立ってないんでしょうか。立っているとすればですね、埋立地の参入企業の業種及び規模、これを明らかにしてほしいと思います。  次に、津波対策の話でありますが、新庄町内会連合会津波対策等専門委員会というのを、11月17日に役員を選出して、発足をしております。この会では、「ハード的な面での対策に、科学的に研究・調査を進めて、行政にも提言をしていこう」と。「時間がかかっても、住民の納得できる対策の目安を立てたい」と、こうしております。そこでですね、市役所内では、どのような研究がなされているのかということ。そして、この津波対策等専門委員会の調査にですね、格段の支援をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。ところで、昨年の9月議会で、調査費をつけたわけでありますが、その調査結果というのは、まだ市民に明らかにされておりません。一体いつ行うのか、教えていただきたいと思います。  次に、介護保険制度の問題であります。こういうニュース記事、これ共同通信ニュースでありますが、これによりますと、「小渕恵三首相全国市長会全国町村会の代表による初の懇談会が23日」、これ10月の23日、「首相官邸で開かれ、市町村長から、2000年度から始まる介護保険税制改正に関する要望が相次いだ」と。「懇談会は、市町村長側の求めで開かれて、栗原勝全国市長会長、静岡県浜松市長や、黒沢丈夫全国町村会長、群馬県上野村村長ら、政府からは、小渕首相のほか、野中広務官房長官が出席したと。介護保険ではですね、市町村長から、介護認定の難しさが報告されたほか、準備が整わない場合は、実施時期を延期することも考慮に入れるべきだと考えていると、厳しい現実を訴えた」と、こういう記事でありますが、田辺市のですね、準備の状況というのはどうなのかというのをお教えいただきたいと思います。  次のニュースは、これ共同通信ですね、同じく、これによりますと、「高知県の橋本大二郎知事は、10月6日の高知県議会で、2000年度から導入される公的介護保険について、介護される本人と家族が希望する場合には、家族がホームへルパーになることは評価されるべきだと述べ、ヘルパー資格取得を前提として、家族の介護を保険の対象にするように、国に働きかけていくことを表明した」と、「橋本知事は、介護する家族に現金を給付することが質のよい介護につながるのか、再び女性を家庭に縛りつけるんではないかといった批判があると認めた上で、新たな介護保険制度が創設され、介護を社会で支えていく体制が確保されていくことになる。家族介護は、新たな選択肢の一つとして、積極的に評価すべきなどとした」と、こうあります。もう一つはですね、時事通信ニュースでありますが、これによりますと「厚生省は、10月16日、2000年度にスタートする介護保険で、在宅高齢者が家族の介護を受けた場合も、保険給付の対象とし、介護した家族に報酬を支払う制度を導入する方向で、検討に着手した。山間部や離島など、ホームへルパーの確保が難しい地域で、保険料を払いながら、必要な在宅サービスが受けられない事態を避けるのが目的。導入に当たっては、介護保険法では、行わないことになっている現金給付と一線を画すため、ヘルパー不足の地域に限定するほか、介護に当たる家族は、ヘルパー資格を取得した上で、自宅以外での介護活動を義務付けるなど、厳しい条件をつける考え」。  今、紹介したように、いずれにしてもですね、家族介護論争というのが、活発になってきています。私は、この問題についても、何回もここで質問をいたしました。その都度、当局は、厚生省の考えの紹介にとどまっております。自分も年をとったというのに、配偶者の介護をしている、こういう人。病身を押して、お年寄りの介護をしているお嫁さん。私の近所にもいらっしゃいます。仕事を放ってまで、介護をしなければならないご家族、こういう人に代わってですね、質問をしたいと思います。事業主体としての田辺市のですね、家族介護への考えはどうでしょうか。  次に、年金からの天引きという介護保険料について、どう考えるのかという問題でありますが、厚生省は、11月26日にですね、昨年12月に成立した介護保険法実施要領を定める政省令としては、初めてですね、介護保険法施行令など政令案2件を、医療保険福祉審議会老人保健福祉部会に諮問をいたしました。今回、諮問されたのは、保険料の算定、それから介護認定審査会に関する基準などを定めたものであります。年内に答申を終えて、介護保険制度が導入される2000年の4月から施行されるというものですが、政令案では、65歳以上の介護保険料月額平均2,600円を年金から差し引く対象者について、これまで老齢年金基礎年金ですね、月額3万円以上、年額にして36万円の受給者とするという案を、同部会に提示していたわけですが、これをですね、月額1万5,000円、年額で18万円、ここまで引き下げた。月額3万円以上の受給者の場合でありますと、年金受給者全体のですね、70パーセントということでありますが、こういうふうにしたために、80パーセントの方が対象となると。また、保険料率というのは、市町村民税本人課税の基準になる合計所得金額125万円、年金受給者は266万円で線を引いたと。125万円以上250万円未満の人は25パーセント、それから250万円以上の人は50パーセント割増になると、こういうことでありますが、さらにですね、市町村が条例によって、必要な保険料を確保できる範囲内で、50パーセント割増の基準になる合計所得金額や、保険料の基準額を変えることができるという、こういう規定も設けております。保険料が払えないときは、給付を減らしたり、差止めたりする、そういう罰が考えられますし、そのためにですね、低所得者は、介護保険の枠外に追いやられてしまうという、こういう心配の声が強まっております。加えて、今、年金の改悪という、この事態が進められておりますけれども、そういう中では、まさに低所得者が、枠外に追いやられるということは必至ではないでしょうか。こうなりますと、生存権を保障した憲法25条、これに抵触するのではないかと思います。当局の見解をお聞きしたいと思います。  次に、田辺市の97年度の国保税の滞納額の問題でありますが、収入未済額で4億6,660万円、単年度だけでも1億4,035万円という大変な額でありますが、これは国保税が払えないという人が多くあるということを示しています。これに介護保険料が、さらに徴収されるということになると、とても払いきれないと、こういうふうに考えられます。したがって、私は、国保税もですね、徴収額を下げておかなければならないんじゃないかと、このように考えるわけですが、お考えをお聞きいたします。  3番目は、学習指導要領改訂にかかわっての質問でございます。ご紹介するのは、朝日新聞のニュースでありますが、こういうニュース、文部省の調査結果にかかわってございました。小学生の3割、中・高生の6割が、「学校の授業がよくわからない」と思っていることが、13日、文部省が初めて調査した授業の理解度で明らかになった。授業がわからない生徒らの比率が、高校生7割、中学生5割、小学生3割という七五三説を公式に裏付けた形だと。文部省は、新しい学習指導要領では、教育内容を基礎的なものに厳選し、わかりやすい授業ができるようにするとしていると。授業の理解度は、「よくわかる」と答えたのは、40人のクラスだと、小学生8人、中学生2人、高校生では1人か2人しかなかった。「大体わかる」との合計でも、小学生68パーセント、中学生44パーセント、高校生37パーセント止まりと、このようにあります。授業についていけない子供たちの悲鳴が聞こえてくるわけでありますが、田辺における子供たちの状況というのは、どのようなもんでしょうか、お教えいただきたいと思います。  悲鳴の要因の一つとしてですね、超スピードの詰め込みの学習指導要領があります。文部省は、教育内容授業時数の縮減以上に厳選したというふうにしているわけですが、前回の改訂の際にも、私はこの壇上で指摘をしておいたところですけれども、今ですね、まだ改訂されておりませんが、今の小学生の1年生で、時計を何時何分まで読ませ、2年生でミリリットルを教えます。これは学習の入門期に、1年生で時計ですね、2年生でミリリットル、こういう入門期に、子供がつまずきやすいところだと言われてきたわけですが、さすが今回の改訂では、時計の読み方は2年生、ミリリットルは3年生というふうに移ったわけで、批判に押されての手直しだというふうに考えられます。とは言えですね、教育現場の先生から聞きますと、もっと時間をかけて教えたいと要望が多い九九、これは今までどおり2年生で教えます。授業時間もですね、変わっておりません。  国語ですけれども、小学校6年間で習う数字の数は、今までどおり1,006文字ですね。1年生が80文字、2年生、これが160文字と、これは学年ごとの配分も一切変化がございません。こういうこともあるんですね、小学校2年生で「歌」という漢字を習います。「歌」、可、二つ書いて、こちらに欠、欠席の欠ですね。これを習うわけですが、4年生になって「欠」という字を習うんです。2年生で先に「歌」習っといて、4年生で「欠」を習うと。系統性を無視した教え方というのも、今までされてきたし、これも変わっておりません。その上ですね、学校完全週五日制と、2002年ですか、これに伴って、小学校国語の時間数というのは、6年間で224時間減ります。国語の時間数というのは、224時間減るんですね。このため、先生たちからは、「低学年から学校嫌いになる原因は、改善されるどころではない」という声が上がっています。「これでは、かえって子供が混乱する。文部省は一体何を考えているんでしょうか」とも言うわけでありますが、今回、発表された改訂案は、そうした子供たちの悲鳴にこたえるものになっていない。結局、改訂案のいう厳選というのはですね、「学校週五日制完全実施のための理念なきつじつま合わせだ」と言われても致し方ないように思われるわけですが、教育長は、どのようにお考えでしょうか。  もう一つの問題は、学校間競争が惹起されないかという懸念であります。文部省は、改訂案の基本的なねらいとして、はじめて特色ある学校づくりというのを掲げる。総合的な学習の時間を創設し、中学校の選択科目等の時間の拡大と合わせ、各学年が創意工夫できる時間を多くとったとしております。また、選択科目について、新たに発展的な学習などをするよう指定をしております。これらが子供中心のものになるには、真に学校の自主性と条件整備というのが不可欠でありますが、しかし今日の受験中心の教育のもとでは、受験対策などに使われて、受験を意識した学校間の競争を助長する危険性というのも十分にあります。にもかかわらずですね、改訂案は、その歯止めさえ示しておりません。出雲市などは、もうこのことを先取りして、学区の枠を外すと、こういう先行的なやり方が出てきております。この結果、義務教育段階から、一部の学校が受験校に特化、特別変わっていく、同じ学校の中でも、始めから到達する学力を区別して教育を行う方向、これを助長しないかどうか心配になるところであります、歯止めがないだけに。好きなようにやれよっていうのは、大変難しいところもあるわけですね。このことについて、教育長は、どのようにお考えでしょうか。  今、子供の状況を多くの方々が、本当にここにいらっしゃる方も皆だと思いますし、国民のほとんどがそうだというふうに思いますが、大変心配がされる。そういう中で、国連子供権利委員会日本政府に対する勧告と、国連からの指摘がありますが、一部紹介をいたします。メディア等の問題という点でありますが、「委員会は、印刷、電子、視聴覚メディアの有害な影響、特に暴力及びポルノグラフィーから児童を保護するため導入された措置が不十分であることを懸念する」、「委員会は、締約国に対し」、締約国というのは日本のことです。「印刷、電子、視聴覚メディアの有害な影響、特に暴力及びポルノグラフィーから児童を守る、保護するため法的なものを含めて、すべての必要な措置をとるよう勧告する」というのが一つですね。それから、競争的な教育ということで、「委員会は、児童が高度に競争的な教育制度ストレスにさらされていること及びその結果として、余暇、運動、休息の時間が欠如していることにより、発達障害にさらされていることについて懸念する。委員会は、さらに登校拒否の事例が、かなりの数に上ることを懸念する」。「締約国に」、日本にですね、「存在する高度に競争的な教育制度並びにそれが結果的に児童の身体的及び精神的健康に与える否定的な影響に鑑み、委員会は締約国に対し、過度なストレス及び登校拒否を予防し、これと闘うために、適切な措置をとるよう勧告する」。いじめ、体罰についてもあるわけですが、「委員会は、学校における暴力の頻度及び程度、特に体罰が幅広く行われていること及び生徒間のいじめの事例が多数存在することを懸念する。体罰を禁止する法律及びいじめの被害者のためのホットラインなどの措置が存在するものの、委員会は、現行の措置が学校での暴力を防止するためには、不十分であることを懸念をもって留意する」、こういうふうにございます。これは、私が言っとるというよりも、国連からの勧告でありますが、教育長は、この勧告をどのように受け止められるか、お伺いいたしたいと思います。  今、指摘があったような、こういう状況というのを多くの人が、日本の国民としてですね、感じていらっしゃる方も大勢おられる。子供を本当にゆとりある、そういう学校の中で明るく、楽しく、健やかにですね、育てていきたいという、そういう父母の願いも多くあるわけですが、お聞きいたしますのは、来年度ですね、田辺市で30人を超える学級は、小・中学校でどれぐらいの数になるのかということでありますが、公立学校の1学級の子供の数というのは、法律を基にして基準が決められているわけですが、現在の基準は学級40人、40人を超えるごとに学級数が増えて参ります。こんなことを言うのは、皆さんご存じのことを言ってるわけですが、この基準を定めたのが、公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律というものです。学級規模を適正にして、義務教育水準維持向上に資するということをうたっている法律です。  私ども日本共産党は、30人学級法案というのを国会に提出いたしましたけれども、この法律の目的に沿って、「現行の40人という基準を30人に書き換える」という、これも改正案です。参議院選挙のときにですね、野党各党も、30人学級実現を公約したり、訴えました。民主党は、「30人学級できめの細かい教育への改革」というのを打ち出しました。独自法案も検討中でありますね。現在の公明党も「20人から25人学級を順次、実現します」と公約をしております。それから、社民党もですね、「小、中、高での1クラス20人を目指します」という政策でございました。自由党の議員も、30人学級を質問で主張しております。自治体でも、前にもご紹介いたしましたが、「町費で、独自に35人学級を実現する」、長野県小海町なども生まれているのは、ご存じのところでありますが、今やゆとりある学級というのは、国民、市民の願いとなってきております。教育委員会は、先ほども申しましたが、新年度、30人を超える、そういう学級にどのように対応をなさるのか、お聞かせいただきたいというふうに思います。教育困難な中学3年生とか、そういうところで複数の教師を配置するというようなことを、今年度の中で行われているということは承知の上で、お聞きをしているところであります。  最後、四点目でございますが、田辺地域の高校生の就職内定の状況はどうか。また、市としてどのような対応がなされているのかという点でありますが、12月1日にですね、各紙は一斉に、「高校生の就職内定率、過去20年で最低の62パーセント」と報道をいたしました。「11万人が未定、普通科55パーセントで不振」と、このような大きな見出しでございます。「10月末の時点で、高校生の就職内定率が62.7パーセントと、この20年間で最も低いことが、30日、文部省の調査でわかった。前年同期を7パーセント下回っており、就職先が決まっていない高校生は、約11万1,000人に上っていた。文部省は、有馬文部大8が、採用枠拡大について協力を要請した。経団連など5団体と都道府県知事教育委員会あてに1日付で調査結果を郵送し、再度、協力を依頼する」と、このように大体そういうニュースで書かれております。  市内のある高校でですね、11月末現在でどうなのかということで、私、聞いてきておりますが、この学校では、就職内定率が66.2パーセント、事情を聞いてみますと、求人数が昨年の83.4パーセント、随分下がったと。女子の内定率が悪い。女子の場合、63.1パーセント、男子の場合は74.3パーセントだと、これが二つ目ですね。三点目が、県内での求人の落ち込み、これがひどいと。10月末で見てみると、昨年は268件あったけれども、今年は130件だと、こういうことですね。それから、四点目には、業種別では、事務、これが激減しておって、これはもうここ数年の傾向だと。サービス業、そのサービス業の内容というのは、ウエイトレス、理容・美容の見習い、それから調理師見習いが圧倒的でありますが、この比率が増えていると。五つ目に言っておられるのはですね、政府・財界の労働力のジャスト・イン・タイム方式の影響があると、こういうふうに言っているんですが、ジャスト・イン・タイムというのは、過剰な人員を抱えず、人材を有効に活用するためにも、必要な時に、必要な人材を、必要な人数だけ採用すると、こういうのがですね、徹底されてきて、こういう影響が非常にあるんではないかというふうに語られているわけですね。タイミングがいいのか、悪いのか、地方新聞、本日付でですね、田辺地域の高校生の就職内定の状況というのが、私のところでは昨日配られておるわけですが、出ておりました。出ておりましたがですね、通告もあれで見たらわかると言われたら、そうなのかというような話になりますが、通告もしてございますので、この田辺地域の高校生の就職内定の状況というのはどうなのかということをお伺いしたいと思います。  それから、二つ目は、高校生の就職が大変だという話で、あるお母さんと話をしていると、そのお母さん、高校生があるわけですが、「高校生どころじゃないで」と、「上の子は大学へ行ってあんねんけれども、この就職が決まらんでやきもきした」、そういう大学卒でも大変だという事態でありますけれども、こういう中で、高校生の進路選択というのは、随分変化をしてきているというふうに思われるんですね。進路の状況というのもおわかりでしたら、教えていただきたいと思います。この問題は、私、前にもここで質問をいたしましたが、これ平成7年か何かにしたかと思いますけれども、当局はですね、そのときのご答弁でも、一生懸命に頑張っていらっしゃる様子がわかったわけですが、今ですね、当局は、就職を保証するという、していくという手助け、これをどのようにされていらっしゃるのか、お教えいただきたいと思います。  1回目終わります。              (1番 田中康雄君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    1番、田中康雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    田中議員から四点にわたってご質問をいただきました。私から文里港湾整備計画の問題で、事業計画のあらましについて、ご報告を申し上げたいと思います。あと教育長以下、担当の部長でお答えを申し上げたいと思います。  まず、この港湾の計画につきましては、9月議会でもお答えを申し上げましたとおり、県と埋立ての規模とか、利用形態についても検討して、案が固まり次第、議会はもちろんのこと、関係方面にもご報告を申し上げて、ご理解とご協力をお願い申し上げて参りたい、こういうふうにお答え申し上げたところであります。その後、県と市の間で、この案がほぼ煮詰まって参りましたので、今議会中の建設経済委員会にもご報告を申し上げたいと考えております。アウトラインを申し上げますと、まず埋立地の規模でありますけれども、今の計画として、全体計画としてはマイナス7.5メートルの岸壁と、それからマイナス5.5メートルの岸壁を各1基ずつ計画をいたしておりまして、このことによる埋立面積が、約7.2ヘクタールとなりますが、そのうち第一期工事といたしましては、マイナス5.5メートルの岸壁を一基、これにつきましては、耐震構造として、これによる埋立面積が約4ヘクタールになります。なお、マイナス5.5メートルの水深でいきますと、船形にもよりますが、貨物船で2,000トン級、客船で5,000トンから6,000トン級の船舶の接岸が可能となります。そして、第一期のこの工事では、航路のしゅんせつは必要がないものと考えております。第二期の工事につきましては、その後の経済情勢とか、諸般の事情を考慮いたしまして、今後の課題としていきたい、こういうふうに考えております。  次に、事業費とその分担割合でございますけれども、第一期工事として計画しております約4ヘクタールの埋立ての事業内容等について申しますと、総工事費が約25億円程度必要になるものと試算をいたしております。なお、この試算につきましては、あくまでも標準工法を採用いたしておりますから、本測量、地質調査等、それから埋立土砂の調達の方法等々によりまして、ある程度の変化は十分考えられるところであります。また、事業費の分担割合についてでございますけれども、県とも、なお今後、詰めを残しております段階でございますので、正確な額については、申し上げられませんけれども、公共事業分、それから単独事業分をトータルいたしますと、約50パーセント程度の負担になるのではないかと考えておりますけれども、しかし、今後ともこの負担軽減のために、国、県とも十分協議をし、そして国、県に多く負担してもらえるように働きかけて参りたいと考えております。なお、市の事業費につきましては、我々は背後地の造成の土地の埋立てでもってですね、できる限りこの事業費の市の負担というものを調達して参りたい、こういうふうな考え方を持っておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    建設部長、高橋進一君。             (建設部長 高橋進一君 登壇) ○建設部長(高橋進一君)    議員ご質問の文里港湾整備計画の中で、2番目からのことについて、お答え申し上げます。利用計画はどうなっているのかというご質問でございますが、平成7年の港湾統計による利用実態によりますと、主として木材、骨材、石油製品、化学肥料、金属類等がございます。その詳細をご説明申し上げますと、原木その他の木材が、大阪や高知より、1万6,355トン、また砂、砂利、石材等が、兵庫、和歌山、岡山、徳島、香川、愛媛、大分等から57万7,249トン、その他石油製品、化学肥料、非金属鉱物、金属クズ等で2万7,570トンが移入されております。  内貿での入ってきてるということです。今の貨物の総移入量は、62万1,174トンであります。また、原木を徳島、その他の木材を山口、徳島へ4万9,890トン積出しいたしております。また、原木につきましては、フィンランド、アメリカからですが、9万5,443トン輸入した実績がございます。この9万5,443トンの原木が、本船輸入の中止に伴い、内貿に切り替わらざるを得なくなります。内貿を主体とした港湾整備が、そういうことの中で必要となって参ります。今現在の文里港が、港湾貨物に対して、港湾施設が必ずしも十分なものとは言えず、例えば、砂等骨材関係の荷が、水深が浅いため、潮待ちをしながら入港している状況にもございます。改良後は、現在、跡之浦あるいは文里港に入港している船舶については、自由にいつでも入港できる状況になります。本船入港中止後の木材関係につきましては、機帆船あるいはトラック便での移入ということに切り替わって参ります。木材と言えば、荷物としてはかさばるものであり、輸送コストを考えた場合、大量輸送ということになれば、海上輸送の方が陸上輸送よりも有利であると考えられます。海上輸送は、最も環境にやさしい輸送手段であるとも言われております。砂、木材等の陸揚げ場、野積み場としてかさばる荷に対し、この埋立地が有効活用されるものと考えております。  次に、埋立地への参入企業の業種を明らかにということでございますけれども、このことについては、前段でも申し述べましたとおり、砂等骨材関係の業者及び木材関係者等への聞き取りをする中、砂の業者につきましては、工場の周囲の宅地化が進んでいる状況があり、新たな土地へ変わることも可能だと聞いております。木材業者につきましては、ストックヤードとして利用させてほしいという話もございます。また、この土地につきましては、今、同時に計画しております架橋ルートと外環状線が交差する位置になり、利用価値は極めて高く、海上交通と陸上交通の接点となる、そういう地の利を生かした物流産業の拠点としての可能性も大であると考えております。  次に、津波対策はどうなっているのかというご質問でございますが、以前、議会でも申し上げましたが、9年度に津波の調査をしてございます。このときは、全体計画である7.2ヘクタールを埋め立てた場合、過去のマグニチュード8.4の安政南海地震と同じ規模の地震が、津波が発生してもほとんど変わりがないという結果が出ております。  以上でございます。             (建設部長 高橋進一君 降壇)
    ○議長(稲沢勝男君)    教育長、角莊三君。             (教育長 角 莊三君 登壇) ○教育長(角 莊三君)    田中議員から五点にわたってご質問をいただきました。まず、文部省調査結果にかかわって、田辺市の子供の状況はどうかということについて、お答えいたします。このことにつきましては、田辺市教育委員会としては、市内全体の状況調査は実施しておりませんが、各校では、独自に児童、生徒の学力あるいは生活の実態を調査したり、学級担任や教科担任は日々の授業の中で、より個々の実態を把握して、指導計画を立てているところであります。理解度調査をしている市内の小学校の一例をご紹介したいと思います。「よくわかる」と答えた3年生は38パーセントであります。文部省の調査では、22パーセントとなっておる部分であります。全学年やっておりますけれども、とりあえず文部省調査と比較をしてご紹介したいと思います。5年生は27パーセント、文部省調査では17.7パーセントであります。「大体わかる」と答えた3年生は52パーセント、文部省調査では48.3パーセント、5年生は72パーセント、文部省調査では48.1パーセントと回答しておりまして、文部省調査に比較して、この学校は「よくわかる」、「大体わかる」の数値が高くなっております。しかしながら、学校は、「大体わかる」と回答した児童の中には、わかったつもりになっている子供もいるのではないかと慎重に分析をしております。  田辺市教育委員会としましては、学校は子供たちにとって、伸び伸びと過ごせる楽しい場であること、そのためには、わかりやすい授業が展開されて、わからないことが、自然に「わからない」と言え、学習につまずいたり、試行錯誤したりすることが当然のことだと受け入れられる、そういうところでなければならないとして、校長会、教頭会、教務主任者会等を通じまして、個に応じた指導の工夫に努めたり、体験的な学習や問題解決的な学習を取り入れて、学ぶことの楽しさや成就感を体得させ、自ら学ぶ意欲を育てるように配慮することなどについて、指導、助言を進めているところであります。中学校につきましては、全く同じ調査というのではなくて、やはりその学校に工夫があって、例えば「わからないときには、どうしますか」と。「好きな科目は何ですか」と、「嫌いな科目は何ですか」というふうに、中学校段階のその学校の工夫ということが見られているようであります。  また、定例の学校訪問や校内の研究授業の場合に、訪問を要請されるわけでありまして、そのときには、子供たちに選択する場を与えた授業や、地域の教育力を活用した授業、T・T、チームティーチングを取り入れた授業、さらには総合的な学習の時間を先取りしたような授業、こういった様々な改善の工夫が見られてきていると判断しております。また、現在、市の指定研究も指導方法の工夫改善を共通テーマにして、小・中学校2校ずつ、平成9年度から11年度の3か年を指定して、研究実践の取組を進めているところであります。  二つ目の新学習指導要領が改訂をされて、詰め込みになっているのではないかと、この問題はどうなっているかということについてであります。新学習指導要領案は、中央教育審議会答申、教育課程審議会答申のゆとりの中で生きる力の育成の精神が流れており、知識の量で学力を測る従来型の教育の転換や学習内容の削減を求めたのを受け、教える内容をその後の学習や生活に必要な最小限の基礎的、基本的内容に徹底的に厳選して、現行のほぼ7割程度に押さえ、理解が難しいと考えられる内容については、上の学年、学校に移すなどしていますし、つまり高等学校という意味であります。単位時間の弾力的設定も、学校判断に任せることになっております。学習内容の削減という点から見ますと、算数、数学、理科では、思い切った精選が目立っています。また、高度になりがちなもの、他教科や上の学校と重複するものを中心に、削ぎ落としがなされています。算数は、日常生活に必要な計算の習得に重点を置き、分数の導入を3年から4年に引き上げたほか、桁数の多い複雑な計算は、取り扱わないこととしております。  さらに、図形の合同や縮図などは、中学校に移し、理科もイオン、遺伝の規則性などを高校に統合しております。小学校低学年においては、特に配慮がなされ、小学校国語の漢字は、現在の指導要領の漢字数と同じではありますけれども、読めるようになることを優先して、書くことは、次の学年までにできればよいというふうにゆとりを持ったり、生活科では、1、2年に分けた内容を一緒にまとめ、12項目を8項目に統合していきます。中学校の英語の例をとりますと、3年間で学ぶ単語を現行の1,000語程度から、900語程度に減らし、指導要領に示す必修語も507から100に絞っております。以上は、厳選、削減の一例を説明いたしましたが、このほか他の教科も同様に削減ないしは、上級学年・学校に移行を示していますし、内容も2学年まとめて示したり、構成を改善しているほか、例えば音楽の鑑賞の共通教材を、初めて自由化したわけであります。  したがって、議員が憂慮されている発達段階に応じた教科内容編成になっているか。さらには、学校週五日制に伴う時間数減らしに終わっていないかというご指摘につきましても、ゆとりの中で基礎、基本を徹底し、自ら考え、自ら判断し、表現する力を育てることを目指して、大きく改善されているものと押さえております。したがって、これからの学校現場では、指導内容の削減と学年配当の変更などについて、移行期間中に十分に理解の上、指導の混乱を来たさないようにすることは、もちろん大切なことであり、一層の実践的指導力の向上を目指して、研究を深めていくことが求められています。シンボリックに言うならば、教える学校から学ぶ学校へと変換を図ろうとするものであるということができます。  三つ目の今回の改訂では、特色ある学校づくり、例えば総合的な学習の時間等がうたわれているけれども、その特色は、受験対応にまい進するような、学力偏重の学校づくりにならないかと。また、そのような危険性はないかと、こういうご質問にお答えをいたします。今回の教育課程の基準の改善の趣旨を色濃く表しているのが、総合的な学習の時間の創設であります。新学習指導要領案にまとめられた趣旨やねらいは、五点ございます。一つは、教科の枠を超えて、横断的、総合的な学習をすること。二つ目は、自らの興味、関心に基づき、主体的に取り組む態度、学び方を学ぶ、そういうことを身につけること。3番目に、体験的な学習活動を行うこと。4番目に、教科以外の学習活動の位置付けをしていること。5番目に、年間70時間から130時間配当するということに要約できると思います。  したがいまして、教育課程審議会の基本的な考え方である豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること。自ら学び、自ら考える力を育成すること。ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎、基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実すること。各学校が創意工夫を生かし、特色ある学校づくりを進めることの四点が、基調となっていますことは言うまでもありません。これは総合的な学習の時間が、教育課程の第4領域として、その時間にどのような学習を実施するか等については、その趣旨やねらいに沿って、学校が独創性を発揮して行うものでありますが、国際理解や情報社会、環境問題、人権問題など、現代的課題を組み込んでいくものと思われます。21世紀に生きる子供たちに求められる資質、能力の育成が、教科等はもとよりでありますけれども、総合的な学習の時間にも期待されるのは、明白なことと言うことができます。まず、教職員に対して、教育改革の理念、改訂の趣旨を踏まえて、この時間の設定理由、ねらいを十分に理解してもらうことで、議員が懸念されていることを払拭することができると押さえております。既に、田辺、西牟婁小・中学校校長会でも、主体的に2002年に照準を合わせた準備研究に取りかかろうとしているのを見ても、この点に遺漏のないよう、情熱を傾けるものと確信をしております。それだけに、改訂の趣旨をよりわかりやすく、保護者の皆さんにも説き、学校への信頼を揺るぎないものにしていかなければならないと考えております。  四つ目の国連の子供の権利委員会が、日本政府に勧告をしたが、田辺市教育委員会の考えはどうかという質問について、お答えをいたします。言うまでもなく、この勧告と申しますのは、児童の権利条約の43条、44条に基づいて報告をする義務が生じたことによるものであります。議員ご指摘の三点につきましては、たくさんあった中の三点というふうに理解をしておるわけであります。いずれも、既に我が国の教育課題として、クローズアップしていることと把握をしておるところであります。まず、1番のメディア、特に暴力、ポルノ、こういったものから児童を守ると、こういうことにつきましては、心の教育答申にも、次世代を育てる心を失う危機として明記されたとおり、有害情報の氾濫は、成長期にある少年に、情操、人権、倫理観、性道徳、あるいは経済観念、儀礼等の面において、大きな悪影響を与えており、これを防止するには、まず大人社会の行き過ぎた表現の自由の許容性が課題になると思います。例えば、児童福祉関連では、母親モニターとか、関連事業への自主規制勧告というふうなことも行われておるわけでありますけれども、教育の方を考えてみますと、市民への啓発はもとより、健全育成条例の利用、これは先般、性非行問題にかかわって大きく改正をされたところであります。関係機関の連携など、学校、家庭、地域の教育機能が、いよいよ発揮されなければならないと考えております。  それから、二つ目の高度に競争的な教育制度を懸念するということであります。これにつきましては、個性を重視し、多元的価値が社会通念となっていないということを背景として、発達段階にそぐわない一部の競争的な、教育の現状が見られるところが問題であります。しかしながら、全体から見れば、大学の高等教育問題ということについて、既に諮問がなされたようでありますけれども、ここのところにも端を発している大きな課題であります。発達段階ということから、私どもの担当しております初等、中等教育の接続という点から考えてみますと、全国的には、中教審の答申等を受けて、様々な改革に取り組まれていますが、例えば入試の機会、あるいは合格率、こういったことから見るならば、当地方においては、高度に競争的な制度といった状態にあるとは考えにくいと思われます。  むしろ適切な進路選択に、課題が多いこと、こういうことが進路変更や不適応といった結果に現れていると思われますので、一層の進路指導の充実を心がけなければならないと考えます。既に中・高連携事業にもとりかかっていますし、中学校における指導体制も、進路指導主任の固定化など、改善が進んでおるところであります。しかしながら、一般的に国際情勢も含めた社会の変貌の中で、人間の知的能力が最大の資源である我が国にとっては、自ら学術を高め、新しいフロンティアを開拓していくことが求められることになって参ります。ダイナミックに流動する世界に伍して、たじろぐこともなく、主体性を持って自らを表現し、国際社会に貢献していく資質や能力を育てるという観点から、多くの課題に迫られていると思っておりますし、自ら競い合うことによるところの切磋琢磨も、むしろ奨励しなければならない点もあろうと思われます。  3番目、いじめ、体罰についての現行の措置が不十分かという点について、お答えいたします。過度のストレスや不登校は、様々な要因があることはご承知のとおりであります。いじめは、各学校の目の詰んだ指導によって、以前のように何週も気がつかない、長い間気がつかないということはなくて、確実に減って参っておりますし、解決も迅速に進んでおります。また、田辺市の教育相談所における相談活動、あるいは不登校対策委員会、いじめ問題対策委員会、補導センターの相談活動、児童相談所による活動等、さらには西牟婁地方をまとめた不登校・いじめ問題連絡協議会等により、行政的にも積極的に対応に努めています。学校における体罰については、田辺市教育委員会としては、これまでも厳しく指導を続けておりますが、指導観のはざまや、突発的なきっかけで起こりがちな懸念もありますし、保護者の不信をかうということもありますので、法に基づいて一層厳正を期するところであります。  私どもといたしましては、議員の申されます三点も含めて、今後とも十分に対応に努めたいと考えております。児童権利条約における教育に関する趣旨は、29条にありますとおり、「人格を磨き上げ、才能を開花させる能力を最大限に発達させていくこと」と、これを基本とすることと押さえておりますので、そのために、一人ひとりの子供たちにしっかりとした学力を身につけさせ、それぞれの自立を促すという観点に立って、一人ひとりの個性を大切にした教育を目指すものであり、今回の教育改革に当たっては、条約の趣旨も、今後、より生かされてくるものと考えているわけであります。  最後に、30人学級について、新年度から田辺市としてどう対応していくのかというご質問にお答えいたします。議員もご存じのとおり、中央教育審議会は、昨年の9月、今後の地方教育行政の在り方についての諮問を文部大臣から受け、内部に地方行政に関する小委員会を設置、さらに今年の3月には、中間報告を公表し、9月21日に中教審の答申として、文部省に提出をされたわけであります。答申を受けて、文部省では、専門家や教育関係者で構成する調査研究協力者会議で、現行の公立学校の教職員配置の見直しに向けて、最後の検討段階に入っていると思われます。検討の柱としては、第1番に、現行の第六次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画と、第五次の改善計画の評価であり、2番目に学校が抱える様々な課題に対応するための教職員配置、3番目に、総合的な学習の時間を取り入れた新学習指導要領に適した教職員配置、4番目に、必要とされる財源確保等々でありますが、1年程度で結論をまとめていくものと聞いております。  今後、法改正が行われ、どのような形で実施されていくのか、現在は、国の動きを見守っているところであります。具体的に法改正が実施される中で、田辺市教育委員会として、どう対処できるかを検討して参りたいと考えております。ちなみに、本市の平成11年度の状況を見てみますと、児童、生徒数で30人を超える学級は、小学校74学級、中学校63学級と見込まれています。35人学級として考えてみますと、小学校41学級、中学校46学級ということになりますが、1学級31人という学級も15学級ありますので、これは30人学級とほぼ同じと考えてもいいのではないかと思います。現段階で、標準法を超えて、地方教育行政で対応するという手立てはできないと判断していますが、現実には、学級児童、生徒数や、そのほか様々な要因によって、教育的配慮が必要と思われる学校には、これまでもより効果のあったチームティーチングほか、教員の加配配置、さらには心の教育相談員の配置等によって、指導方法の工夫改善、個への対応を進めていきたいと考えております。なお、その他の方法として、配置率の改善ということがございますので、このことも要望して参りたいと考えております。  以上であります。             (教育長 角 莊三君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    保健福祉部長、田中憲君。            (保健福祉部長 田中 憲君 登壇) ○保健福祉部長(田中 憲君)    田中議員ご質問の2番目、介護保険制度に関するご質問にお答えをさせていただきます。まず、一点目の田辺市としては、介護保険制度を先送りする必要がないのかというご質問でございますが、現在、全国の各自治体で、平成12年4月からの介護保険制度導入に向けて、懸命の取組が行われているところでございますが、介護サービス提供基盤の整備の遅れ、財政運営に関する懸念、事務処理体制の整備の遅れ等、解決すべき課題が山積しており、その対応に苦慮しているというのが実情でございます。しかしながら、高齢社会を迎え、介護保険制度の目的である介護の長期化、重度化等により、過酷となっている家族介護負担の軽減を図るとともに、介護される方の生活の質の向上を行うため、社会全体で介護の必要な方を支えるシステムを早急に構築することは、極めて重要なことであると考えております。このため、国、県に必要な支援を要望するとともに、平成12年4月から介護保険制度が実施できるよう、介護サービス基盤の充実も含め、鋭意努力して参りたいと考えております。  そして、田辺市の準備状況はどうなのかというご質問でございますけれども、田辺市の保健福祉計画の目標数値で申し上げますと、施設面につきましては、ほぼ達成の域に達しておりますが、在宅サービス部門、ヘルパー、デイサービス等は、十分であるとは思ってません。早急に対策を講じて参りたいと思います。ただ、施設面においては、240人の待機者がございまして、特養部分の整備ということも必要であると考えております。  次に、介護保険制度における家族介護者に対する現金給付についてでございますが、介護保険制度制定時において、現金給付を行うことにより、家族介護者、取り分け現実に主たる介護者となっている女性の介護負担の軽減につながらないことが考えられること。需要が潜在化することにより、介護サービス提供基盤の整備が進まないことが想定されること等の理由により、当面は、現金給付を行わないこととなっております。しかしながら、議員もご存じのとおり、介護サービス基盤整備が遅れていることと、家族介護への依存度が、現実として高いこと等により、全国町村会を中心に、一定の要件を定めた上で、家族介護者に対する介護報酬の支給を認めるべきではないかという意見が出され、現在、国の医療保険福祉審議会で検討が行われているところでございます。  また、我が国以外のスウェーデン等北欧諸国、いわゆる福祉先進国等におきましては、現金給付を実施しているところもございますが、これらは十分な介護サービス提供基盤が整備された後、選択肢の一つとして追加されたものでございます。田辺市といたしましては、当面、介護サービス提供基盤の整備を早急に進め、家族介護の軽減を図るとともに、介護の必要な方が、必要なサービスを気軽にご利用いただけるよう、制度の周知、利用意識の転換に努め、その上で多様な選択肢の一つとして、現金給付を行うことが重要であると考えておりますが、医療保険福祉審議会の動向、現在、実施している需要把握調査、予定している介護保険策定委員会、公聴会等の意見を踏まえ、慎重に検討して参りたいと考えております。  次に、三点目の年金からの天引きについてどう考えるのかについてでありますが、議員ご承知のように、65歳以上の第1号被保険者が支払う介護保険料は、介護保険法第135条、この条項は、保険料の特別徴収のことがうたわれております。135条で、老齢退職年金からの特別徴収、いわゆる天引きによることの規定がなされております。その基準の詳細については、政令により決定されることになりますが、厚生省は、これまで特別徴収を行わない者の、年金の基準額を年間36万円未満とする方針を打ち出していましたが、今月の9日に、国の医療保険福祉協議会から答申された政令案によりますと、年間18万円に基準額が引き下げられております。この結果、社会保険庁の調べによると、新たに1割の被保険者が対象となり、第1号被保険者全体で見ると、約8割が特別徴収の対象になると予想されております。  ところで、第1号被保険者が支払う介護保険料は、全体の費用の約17パーセントを占める重要な財源であり、介護保険会計を健全に運営していくためには、当然、収納率の確保が前提条件となります。特別徴収については、このような市町村の状況、被保険者の利便性という点から考え出された徴収方法でありまして、特別徴収の対象とはならない残りの被保険者については、普通徴収の対象となります。しかしながら、議員ご指摘のように、低額の年金しか受給していない被保険者については、保険料負担が困難な場合もございます。このような場合には、保険料を5段階の区分に設定する際に、現行で考えられている最低の水準である基準額の2分の1よりも、さらに低い割合の保険料を賦課するなど、市町村の判断により、弾力的に運用できることも検討されておりますので、市といたしましても、低所得者に過重負担とならないよう十分検討を加えて参りたいと考えております。  以上でございます。            (保健福祉部長 田中 憲君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    総務部長、八百耕貮君。             (総務部長 八百耕貮君 登壇) ○総務部長(八百耕貮君)    田中議員ご質問の1番目の中の津波対策の研究現状と、それから新庄町の津波対策委員会への支援についてという、このご質問と2番目の中の国保税の引き下げについて、このご質問にお答えを申し上げます。  まず、津波対策の研究でございますけれども、ご承知のように、ハード面での整備は、田辺市だけではないのでありますけれども、遅れているのが現状でございます。私どもも以前から、安全な避難というソフト面での対策は行ってきておりますけれども、津波を直接防ぐ施設の整備につきましては、いろんな面で非常に苦慮いたしております。そういう中で、現在、東海・東南海・南海地震津波研究会に入会をいたしておりまして、ハード面も含めた津波防災の研究に参加をさせていただいておりますけれども、なかなか難しいものでございまして、例えば「一部の地域を防波堤等で守れば、その津波のエネルギーは、ほかの地域へ跳ね返る」という、こういうことも聞いておりますので、津波防災対策を考えますときには、田辺市全体、またあるいは周辺の町村と一体となった対策というものも考えておかないとだめだとも言われております。いずれにいたしましても、津波対策は、避けて通れないものでございますので、今後とも一層の研究を続けて参りたいと考えております。  次に、お話のございました新庄町の津波対策委員会に対する支援でございますけれども、住民の方々で、こういう組織を作っていただいているということは、私ども大変ありがたいと思っております。機会が得られますれば、地震とか津波対策の専門の先生方にいろいろとご教示をいただくことも必要ではないかと思いますので、そういうことも含めまして、お互いに研究を進めて参れればと考えております。  次に、2番目の介護保険制度に関するご質問の中での国保税の引下げについてでございますが、現行の国民健康保険会計の歳出の主なものは、保険給付費、老人保健拠出金で、歳入の主なものは、保険税、それから国・県支出金、一般会計繰入金となってございます。介護保険制度が実施されることによりまして、歳出の老人保健拠出金のうち国民健康保険から、介護保険に移行する費用の減額が想定されるところでございますけれども、一方で、医療費の伸びは、増加の傾向が続いておりまして、特に老人医療費の伸びが大きい現状でございます。また、平成8年度には、賦課方式の見直しによる減税、平成9年度には賦課割合の見直しによる減税を実施してきており、平成9年度の単年度収支では、歳入が歳出を若干上回っておりますけれども、平成10年度におきましては、税率の据え置き等によりまして、調定の伸びがない中で医療費は伸びてきておりますので、単年度収支はマイナスとなる可能性もございます。このような状況の中で、介護保険制度導入後の国民健康保険税につきましては、今後の医療費の伸びや、現在、国で平成12年度を目途に検討されております診療報酬体系や薬価基準の見直し、また高齢者保険制度の創設等の動向を見極めることにより、歳入、歳出を的確に把握した上で、国保税の適正な賦課に努めて参りたいと、このように考えており、ご理解を賜りたいと思います。             (総務部長 八百耕貮君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    経済部長、平本寿男君。             (経済部長 平本寿男君 登壇) ○経済部長(平本寿男君)    田中議員ご質問の4番目の田辺地域の高校生の就職内定状況等と、そして市としての対応につきまして、お答えいたします。  まず、田辺地域の高校生の就職内定状況でありますが、本年10月末現在、紀南6校全体での卒業予定者数のうち就職希望者数は604人となっており、うち内定者数は、約50パーセントの306人という状況であります。次に、田辺地域の高校生の進路状況でありますが、平成9年度3月末現在で、紀南6校全体の卒業者数1,597人のうち約50パーセントの810人が進学しており、その内訳といたしまして、大学進学者275人、短期大学進学者159人、専門学校進学者376人となっております。また、就職者数は、全体の約37パーセント、589人となっているところでありますが、田辺公共職業安定所管内の有効求人倍率も、本年10月末現在では、0.34倍と年々低下している現状であります。新規高卒者の就労機会も減少しており、非常に就職が困難な状況であります。なお、高校生及び父兄の方々の考え方も、進学希望が依然と強く、また専門学校進学希望者も年々増加の傾向にあるようです。その理由といたしましては、社会のニーズにこたえるべく、専門知識を身につけ、この就職難の時代を乗り越えようとする意識の現れと思います。そういった状況の中、田辺市といたしましては、平成4年度より開催しておりますUターンフェアにおきまして、企業の人材確保は当然のこと、若者の地元定着、またUIJターンの推進に取り組んでおります。  しかし、先ほども申し上げましたとおり、長引く不況により、企業経営が悪化し、就労機会が減少している現状でありますので、新規高卒者を含め、全体的な就職難であります。根本的には、就労を確保できる企業の育成が必要であり、当市といたしましては、各種施策を実施し、地域産業の振興、雇用の確保を図るべく取り組んでいるところであります。昨年におきましては、この厳しい経済情勢の中、光ファイバーケーブルの接続端子の端末加工業を営む関西トヨクニ機電株式会社を誘致することができ、その結果、約40名の就労の場を確保できることとなりました。また、市の土地開発公社におきまして、下三栖に住宅用地の造成と並行して、企業団地の分譲も平成12年秋に予定されております。当公社へは、現在、数社の問い合わせがあり、新たな就労の場として期待が持てそうだと考えております。  最後になりましたが、市といたしましては、今後とも企業誘致活動に取り組むとともに、市内企業を育成し、就労機会の確保に向け、県当局及び公共職業安定所との連携を図りながら、取り組んで参りたい所存であります。  以上であります。             (経済部長 平本寿男君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    1番、田中康雄君。              (1番 田中康雄君 登壇) ○1番(田中康雄君)    丁寧なご回答をそれぞれいただきました。文里湾、いわゆる港湾整備計画でありますが、このバース建設の問題にかかわってでありますけれども、外材の輸入というのは、輸入木材協同組合が中止をいたしましたので、今はだめだという格好に、実際なっていますし、「将来は、じゃあ外材が輸入できる、だからこういうバース作っていても、無駄にはならないだろう」と、こういうようなこともですね、考えられているかというふうに思うわけですが、全体として4ヘクタールという第一期で、という非常にはじめに耳にしたことと比べますと、縮小はされております。しかし、やはり地場産業、木材という、この出発点から考えて、もうひとつやはり考えていく内容があると思うんです。それは、国内林業を発展させる立場からですね、考える必要があるという意味なわけでありますが、本年の3月に和歌山県議会では、満場一致で輸入木材の削減を求める意見書というのを採択いたしました。そこでは、無秩序な外材輸入が、我が国の森林を荒廃させ、林業関係者の仕事を奪い、過疎化を促進させていることを訴えております。さらにですね、適切な施策が講じられるならば、近い将来、国産材の時代は確実に到来するであろうとして、政府にあっては、輸入木材による材木価格の圧迫が、国内林業の経営を困難にしているという事情を賢察されて、秩序ある輸入に必要な措置を講じられたいと、このようにしているところであります。  第一次工事を小さく作って、第二次工事、これは市長は、今後の課題ということで、これが明確になったわけではありませんが、二次、三次と大きくなるのかどうか、こういう辺りもわかりませんけれども、大きくしていくつもりかわかりませんが、新庄の製材所の発展という方から言ってもですね、この工事には、確かな将来はないと思います。やはり、本来は、国内の林業を発展させるという、その中で新庄は発展をしてきたという歴史があるわけですね。国を富ませるという、そういう意味からもですね、先ほど、どこの国かロシアかどっかから輸入するというような話もちょこっとあったり、聞いたように思いますが、そういう方向が、いわゆる安い、材木価格が低い、このことが国内林業を圧迫させてきたというですね、このことを考えても、この整備計画というものの将来というのは、私は認めることができないと。  同時に、先ほどいろいろと出されたわけですが、7年度のそういう実態でという前置きがございました。材木については、今のようなことですが、他のものについても、現在の状況でですね、これを賄っているわけで、どうしてもこれを造らなければ、もう入ってくることができないと、こういうことではないと思うんですね。今、私どもがこれを問題にしているのは、今のような経済、財政状況の中で、本当に急いで、どうしても造らなければならないものなのかということを問うているわけです。この整備計画は、やはりですね、白紙撤回すべきだというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。それから、先ほど私どもにというよりも、建設経済委員会で説明があると、詳しい説明があるかと思うんですが、住民への説明については、答弁いただいたでしょうか。もし、抜けておるようでしたら、答弁いただきたいと思います。  次に、介護保険についてですが、私は、以前からの質問と繰り返しになりますけれども、2000年の4月までに、これだけは解決しておかねばならないというものがあると思うんですけれども、一つは、保険料を払わないために、制度から排除される事態というのは、絶対なくしていただきたいと思う。それから、介護のための基盤整備の目標、これは新制度に導入にふさわしく引き上げていただきたい。先ほど、現在の保険計画に照らすとという前置きがありましたので、そうなのだろうというふうには思います。施設では、もう充足した、ホームへルパーさんがちょっと大変なんだというお話でしたが、やはりこれを導入したにふさわしいですね、そういう引き上げというのをやっぱり目標に入れておかねばならないんじゃないか。それから、現行の福祉水準を後退させない措置、これは以前から申して、保健福祉部長さんの方からもですね、これは「下げない」という返事をいただいているところですが、それで四つ目には、高齢者の生活実態を反映した認定基準、この辺りが非常に今、心配をされているところです。今、市の担当部もですね、本当に苦労なさっておられる。このことは、私も十分承知をしております。「国、県にも要望していく」という声も先ほど出ました。どうかひとつ頑張ってよろしくお願いしたいと思います。  それから、次にですね、教育の問題についてでありますけれども、非常に丁寧な答弁をいただきました。ここで私、この内容について、教育長と議論するというような、そういう場でもございませんので、最後に、ご要望しておきたいのは、21世紀を生きる子供たちが、主権者として生きていく上で求められる学習内容は何かと、根本から考えることが、今、本当に大事だというふうに思っています。今の子供たちの状況というのは、本当にこのまま大人になっていいのかという、それぐらいのところまでですね、思ってしまいますし、そういうことと、もう一つに精選した学習教育内容をですね、小学校低学年から十分に時間をかけて、学べるようにしてほしいと。初め入学するときの子供たちというのは、みんな学校、まだ体験してないんだけれども、「楽しいところだろうな」と言って入ってきます。その子供たちの期待というのをですね、いつまでも大切にしながら、学校嫌いを作らない、落ちこぼしを小学校の段階から絶対に出さないと、このことが非常に大事だと、痛切に思うとこです。物事がよくわかり、楽しい学校を作るために、教育条件の整備も含めて努力をしていただくよう要望しておきたいというふうに思います。  最後に、高校生の就職の問題、この高校生が、それこそいろいろな今の大変な状況の中で、親たちも一生懸命ですね、育ててきて、一昔前ぐらいだったら、就職を選ぶというのは当たり前の時代でもありました。ですから、そこで職業を通して、人のためになるわけですね、人間というのは。ですから、どういう仕事で、自分は社会に出るという言葉を使いますが、社会に出るのか、人のために役に立つのかと、こういうところで考えもできたし、展望も持てたしという時代がありましたけれども、これがだんだんだんだん持てなくなってきて、このことは、その後輩たちというのか、その子供たちも暗くしてしまいます。将来を本当に展望できないというのは、本当にその子供たちの伸びる力というものを阻害する、こういう要因にもなっていくと思うんですが、現場教師たちの努力にもかかわらず、求人が大きく減って採用がない。地域経済の大きな落ち込みの根本には、不況打開への政府の無策と人減らし、リストラなどの犠牲、これを国民に押しつける大企業の横暴もあります。ここにメスを入れないと解決しないというふうに思われるわけですけれども、若者たちが希望を抱いて、仕事について将来を展望することができる、このようにするためにですね、高校現場を援助する取組など、今も話されていると思いますが、そういうお答えもございました。一層の努力をお願いをしたいと思います。  二点、質問を残して、2回目終わります。              (1番 田中康雄君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    1番、田中康雄君の再質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    文里港の建設の問題で、議員からご質問をいただきました。もちろん私どもとしては、関係者の皆さんに、今後、十分説明を申し上げていく中でですね、ご理解をいただきながら取り組んで参りたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    建設部長、高橋進一君。             (建設部長 高橋進一君 登壇) ○建設部長(高橋進一君)    再質問いただきましたので、今の港湾の計画でありますけれども、今回の計画というのは、基本的には内貿を中心とした港湾、国内での貿易、貨物の移動に対応する港湾ということを考えております。この港湾計画、マリンタウンプロジェクトを計画した段階から、いろいろあるわけですけれども、いわゆるマリンタウンプロジェクトの調査検討を行ったのが、平成元年から2年に分けて行っております。この段階で、産業界からの要望があったこと、基本的には、その要望があっての動きなんですけれども、いわゆる田辺圏域のですね、中核都市としての都市機能を備えるという要望、それから産業基盤の強化、それから港湾機能の更新、再開発という、そういう多様なことがあったわけですけれども、そういう中で、時間の経過、その後の貿易中止に伴う状況の変化等に対応した計画として、今、差し当たって求められているものについての整理を行ったという形の中で、計画を固めてきてございます。  それともう一つご理解いただきたいのは、並行して計画しております架橋計画を固めるためにも、港湾計画を固める必要がありまして、その辺で現在の計画と固めてきたというような状況にございます。  以上です。             (建設部長 高橋進一君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    1番、田中康雄君。              (1番 田中康雄君 登壇) ○1番(田中康雄君)    この田辺湾、文里湾ですね、その周辺住民への説明、市長、「する」と。するということは、これはもう以前から言っておられるわけで、私が聞いてるのはですね、前も「する」と言って、「5月にする」と言って、今までまだしてないわけです。一体いつ行うのでしょうかというふうに聞いたわけで、委員会に説明をした後、すぐにですね、行うと、このように理解をしておきたいというふうに思いますが、部長の方からですね、いろいろと苦心の答弁がございます。ものを初め大きく、だんだんだんだん縮小していったという、これなぜなんだろうという、今ですね、縮小4ヘクタールになったというのがわかったところなんですが、なぜなんだろうという質問もですね、これまたしていかねばならないというふうに思うわけですが、それに沿っていろいろと新たに理由づけなされるように思ってしょうがありません。もともとそれだけの大きいものがいったのに、たった4ヘクタールで、それでいくんだろうかと。それこそ無駄ではないだろうかという思いもして参ります。これについては、また質問をさせていただくというふうにして、今日の質問、これで終わらせていただきます。              (1番 田中康雄君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    以上で、1番、田中康雄君の一般質問は終了いたしました。 休 憩 ○議長(稲沢勝男君)    この場合、午後1時まで休憩いたします。               (午前11時52分)            ―――――――――――――――― 再 開 ○議長(稲沢勝男君)    休憩前に引き続き会議を開きます。               (午後 1時04分) ○議長(稲沢勝男君)    続いて、20番、熊野芳和君の登壇を許可いたします。             (20番 熊野芳和君 登壇) ○20番(熊野芳和君)    一般質問も最後でありまして、通告は1時間という形でしておりますが、私、その他も入れて1時間ということで、その他、今回やめますんで、それよりも大分早く終われると思います。2時間やれという議員が圧倒的に多いんですけれども、半分はあまり聞かんというんで、もう1時間以内に収めていきたいと思います。  それでは、市町村合併とその住民意識の高揚について、市長に対しての質問をしたいと思います。1998年も、あと半月で終わろうとしていますが、平成2年でしたか、バブル崩壊から9年ほど経った今も、まだ今まででは常識では考えられないようなことが、次々と起こってきており、誠に政治においても、また経済においても、そして社会現象にあっても、大変不透明な時代が、いまだに続いていると思うのであります。また、今年は、我々の和歌山県には、本当に暗い出来事が多く起こったわけであります。来年こそはという、私だけじゃなしに、和歌山県民が皆、良い年であるようにと期待をしているところであろうかと思うのであります。さて、21世紀まで、あと2年余りという現在、我が国は、特に経済不況の真っ只中にありまして、不景気の長いトンネルの中を模索している状況にあるわけであります。日本の社会全体が、大きな変動期ないし、構造的な変革期にあることは、広く認識されるようになっていると思います。それは、一言で言うと、明治以来の日本の政治行政システムである開発、そして集権の体系から21世紀を視野に入れた新たな政治行政システムである成熟、分権の体系への移行期、また過渡期に、現在、位置付けられているということができると思います。したがって、今日進められつつある日本社会の構造的改革と言われるものの主眼は、経済システムや企業の経営スタイルの改革とともに、あるいはそれ以上に、中央政府及び地方政府全体の在り方を視野に入れた改革に置かれていると、要約することができるのであります。  実際、今や我が国の政治、行政、経済、そして社会のシステムの全体が、大きな変革を迫られており、地方制度も、当然、その一環であるのであって、それだけに地方自治制度をめぐる現下の動向については、地方分権に加えて、市町村の再編ということが大きく取り上げられてくるのではないかと思うのであります。平成8年の秋行われた新たな選挙制度の下における総選挙において、与党、野党を問わず、市町村の合併の推進を公約に掲げられました。すなわち、自由民主党は、「画期的な地方分権を実現するに当たっては、受皿としての地方公共団体も、それにふさわしいものになる必要がある。このため、地方公共団体においても、支出の厳しい見直しを行い、徹底したスリム化を進めるとともに、市町村合併を促進し」と言っております。また、当時の新進党は、「地方分権を進めることは、地方にとっては、中央依存の体質を変え、自治体同士が住民の生活をどう良くしているのかを競う競争の時代に入ることを意味し、当然のことながら、その役割を果たせるだけの規模と能力が必要となる。市町村合併を断行して、全国3,300市町村を300程度に統合して、自らの判断で行政を行えるような体制を整備する」としております。さらに、民主党も「自治体連合や合併などによる地方行政単位の拡大」を掲げたところであります。  このような動きを見ておりますと、ここに至って新しい市町村再編成の時代の幕開けを感じるのでありますが、戦後の市町村の合併は周知のように、昭和28年の町村合併促進法の制定によって、計画的に進められ、同法施行前に、1万近くあった市町村の数は、同法及びこれに続く新市町村建設促進法の下で、約3分の1近くの三千数百まで減少したのであります。その背景には、特に戦後の教育制度で定められた新制中学校を運営していく規模能力という、そうした目標が、人口おおむね8,000人以上が標準とされたことがあったことは、つとに知られているところであるわけで、その後、制度的には合併の障害に対して、特例措置を定めるという趣旨から、昭和37年に市の合併の特例に関する法律、また昭和40年に、市町村の合併の特例に関する法律が、時限立法として制定され、これが改定、延長されて、今日に至っておるところであります。その間、市町村の数は、昭和40年から今日まで160減り、現在3,232という数になっているのであります。  振り返ってみますと、町村合併促進法の制定から、昭和30年代前半に至る時期を経た後においては、市町村合併の機運は、特別の事情があった地域は別として、一般的には、マインドが冷えてしまったということができます。しかし、一方では、高度経済成長、また技術革新の進展、モータリゼーション化などを背景として、生活圏域、経済圏域の拡大が進行し、これに対する地方行政の対応が強く求められてきたことは事実でありますが、市町村合併の機運を再燃させる方向ではなく、市町村の共同、協力関係を基礎とした広域行政システムに関心が注がれ、広域市町村圏などの施策の展開が図られてきたということであります。では、なぜ市町村の合併が進まなかったのかでありますが、第一に、町村合併促進法施行以来、数年の間に、市町村の数が3分の1近くまで減少するほどの激しい合併促進の生々しい体験を経て、行政当事者も住民も合併に対して抵抗感が極めて強く、合併を念頭に置かない市町村行政の内容の充実ということの方が強い関心事となったことであります。第二に、高度経済成長の下で、地方行財政制度を通じて、各市町村とも国全体の成長の恩恵に浴することができ、相応の行政の内容の充実が可能であったこと。第三に、経済社会の進展に伴う地域構造変化の影響もあって、特に非都市的地域において、合併後の市町村の役所、役場所在地などの中心地域以外の旧市町村の地域の活力が、相対的に低下したという指摘があるのに対して、合併をしていない市町村については、合併をしなかったがゆえに、特に不利益となったという見方はあまりないということで、結果としては、行政当事者や住民にとって、合併によるメリットがほとんどわからないばかりか、デメリットの方に目が向いてしまうこととなったためという、そういった専門家の指摘があります。  しかし、時代の推移とともに、基盤においては、大きな変化が進行し、今日では、もはや市町村合併問題は、遠ざけておくことは許されない事態に至っております。最もはっきりしていることは、高度経済成長は、とっくに終焉しているばかりか、今日では、成長を継続することさえ容易でない状況にあり、今後、各市町村が成長の恩恵にあずかり続けるという、そういった安易な見通しを持つことは、できなくなっているのであります。また、これまでの日本の政治、行政、経済、社会それぞれのシステムは、抜本的な変革を迫られており、その一環として、地域の問題は、地域の責任でもって対処することとし、国は国家として、存立にかかわるような重要な課題等に、重点的に取り組むことができるような体制を構築することが求められているのであります。その場合、当然、地域において、基礎的地方公共団体である市町村の役割と責任は、質的にも量的にも重大なものとなって参ります。同時に、市町村は、それだけの主体性と活動の自由を得ることとなり、それを生かしていけるかどうかは、正に当該市町村の力量次第ということになって参ると思うのであります。  このように、今や実行の段階を迎えた地方分権の推進は、正にその方向にあって、そうなれば、市町村の規模能力が問われるのは必然であると言えます。さらに、規制の撤廃、緩和が進められる中で、国民生活や経済活動にとって、なお様々な面で深いかかわりを持つことが少なくない、基礎的な地方公共団体が、生活圏や経済活動の圏域の広がりにもかかわらず、圏域内に数多く存在することは、官と民との関係をできるだけ少なくしていく方向にそぐわないことになります。このことは、一方できめ細かいサービスの提供ということの比較衡量の問題でもありますが、今日の情報通信をはじめとする諸技術の著しい進歩の成果を活用することによって、きめ細かな行政は、かなりの程度、カバーできるものと考えられると思うのであります。以上のように、今や市町村合併は、避けて通ることのできない課題であることは、疑いのないところであります。  しかし、市町村の行政担当者や住民の間では、なおその反応は鈍いことも否めず、一昨年の末に公表されましたPHP総合研究所のアンケートによりますと、合併を「検討中である」と、「今後、検討したい」としている、そういった市町村は28.7パーセントで、「予定はない」とする市町村が71.3パーセントとなっており、そのような消極的な理由としては、次のようなことではないかと言われております。一つには、地域の連帯感やアイデンティティーが薄れ、連帯感やアイデンティティーを基礎とした真の意味での自治が実現しない。住民に対してきめ細かなサービスの提供が困難となる。住民との距離が遠くなり、住民の意向が反映しがたくなる。また、合併後の市町村内で地域の格差が広がる。さらには、議員定数や職員数の減少に抵抗が強く、人口の少ない旧市町村の区域で、選出される議員がなくなったり、ごく少数になる。さらには、合併後は、地方交付税、補助金等の面で、財政的に不利になる。そして合併するメリットがわからない。また、あえて波らんを起こしたくない。今のままでよい。消極的な市町村の理由であります。  これに対して、これからの市町村合併の今日的な意義又は効果としては、次のようなことが挙げられると言われています。第一に、規模能力の拡大を通じた行財政能力の充実強化であります。つまり、行政の質的向上、適宜適切で効率的な対応、経費の重点配分、人材の確保等のメリットが期待でき、逆に規模能力の拡大がなければ、著しい高齢化の進展、人口の減少、行政のニーズの増大、多様化、高度化といった状況に、市町村は対応していけなくなるということが予想されるということであります。第二には、地域の整備や振興、活性化という観点から、基礎的な単位として最もふさわしい地域経営主体を形成するということであります。この面では、都市的地域、いわゆるアーバン地域と非都市的地域、いわゆるルーラル地域とでは、視点を異にすることもあるのではないかということであります。また、第三には、国と地方を通ずる行政効率の向上ということで、もちろん地方自治は、行政効率と相いれない側面もあることは否定できませんが、昨今、行政効率なくして、長期展望に立った地方自治の充実強化は期待できない状況に至っております。さらに、第四として、官から民への規制の撤廃や緩和が求められる中にあって、生活圏や経済圏の中に多数の市町村があることは、住民の生活や経済活動にとって、必要以上に官とのかかわりを強いられかねないこととなるということであります。  以上のようなことでありますが、これら合併後の効果については、あらかじめ実証しがたいことでありますから、一般にはなかなか理解しづらいことであることも事実であります。けれども、国においても、法律において、合併を促進する旨を明確にしているように、市町村も変わるべき時がきているということが歴然としていることから、私たちも遅れることのないよう、積極的にこの問題に取り組んでいく必要があると思うのであります。私たちの圏域においても、町村合併促進法制定から、昭和30年代前半の数年において、38市町村から11市町村に、合併によって整理され、田辺市では町村合併促進法制定以前の昭和25年12月に、万呂、秋津、稲成の三村を町村合併促進法制定直後の昭和29年2月に、新庄村をそれぞれ編入し、その後、西富田村の編入と分離を経て、当時、六村が合体して誕生した牟婁町を昭和39年10月に編入して、現在の地域を確定したことは、ご承知のとおりであります。その過程において、田辺市と周辺の町村の大同合併を企図されたことがあったことも事実でありますが、現在に至ることなく、都合、圏域10市町村として、現在に至っているのであります。このようなことで、時代が進み、圏域においては、いろいろ行政区域を超えた問題が惹起されていることは、もう既にご承知のとおりでありますが、事実上、経済・社会上、境界がない中で、紀南病院の移築の問題、また産業廃棄物処理の問題、あるいはまた近く始まる介護保険法の問題等々が、大きな課題として横たわっているのであります。  このような問題をいかに解決していくか、広域行政をどう展開していくのか、広域連合制度や一部事務組合等、既存の広域行政制度の活用も考えられますが、私自身としては、この時期にあって、大同合併を終極の目標として、合併を推進していくべきであるという意見を持っているところであります。市町村の合併に対する政府や地方制度調査会の一貫した考え方は、自主的に行わなければならないんであります。それは、自らの自由な考えにより、ほかから指図されたり、強制されたりすることなく行われる合併であります。もちろん機運の盛り上がりのないまま、一方的に田辺市からどうの、あるいはまた白浜町から、上富田町からということにはならないと思いますが、それぞれの市町村の住民に対し、意識、機運がはぐくんでいく働きをしていくことが重要な方途であると思います。そして、これこそ21世紀を勝ち残るために、やらなければならないことであると考えます。先般来、私たち有志議員と周辺町村の有志議員が寄り、広域行政を考える会として、ごみ、産廃、水問題等と大きな課題について懇談、研究に入っているところであります。今はまだ、合併というところまで議論が進んでいないのでありますが、近く、そうしたことも協議しながら、お互いに自然体で、スムーズに合併しようということができる形に、住民の意識の高揚を図り、その機運を育てていくことに努力していこうと考えているところでもあります。  私は、昨年6月の定例議会において、田辺圏域における広域協調関係の構築についてとして、今後の当地域における広域行政の在り方、考え方とその進め方について質問をさせていただきました。そして、市長から「広域行政の強化は、各市町村のおかれた状況、地方分権の進展の度合いなど、様々な要素が複雑に絡み合い、すぐに結果が出るという性質のものではなく、周辺町村の皆さんとともに、議論を進めていくべきものであるが、議論や必要性の高まりは、具体的な必要性に迫られないと発生しにくい。それだけに、ハード、ソフトにおける官民一体となった密接で、継続した連携と枠組みづくりが求められる。平成11年の熊野博も、紀南を一つの面として、具体的、現実的な取組が広域連携の強化につなぐ環境醸成となる」旨のご答弁をいただいたところでありますが、今回は、熊野博成功への取組を鋭意進められている中で、一歩進めて周辺町村との合併をどのように考えておられるのか。また、現行合併特例法に基づく合併協議会設置協議について、住民発議があった場合において、それが本市を合併対象とする他町村の住民発議でもあるものも含め、合併の意義と効果を市民の皆さんに周知し、理解させる働きかけをして、進んで合併協議会設置協議に向け、一連の手続をとっていく意思がおありかどうか、この点について、市長にお伺いしておきたいと思います。  これで、1回目の質問を終わりたいと思います。             (20番 熊野芳和君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    20番、熊野芳和君の質問に対する当局の答弁を求めます。  市長、脇中孝君。              (市長 脇中 孝君 登壇) ○市長(脇中 孝君)    熊野議員から、市町村合併についてのご質問をいただきました。お答えを申し上げたいと思います。ご質問のとおり、本年4月には、地方制度調査会から市町村の合併に関する答申が提出され、また5月に閣議決定された地方分権推進計画の中では、市町村の合併等の推進が盛り込まれ、議員のお話にございますとおり、地方分権の論議とともに、合併の論議も高まりを見ているところでございます。今さら申すまでもございませんけれども、地方分権につきましては、国際社会の対応や東京一極集中の是正、そして地域の実情に即したまちづくりによる、多様で個性豊かな地域社会の実現、それから少子・高齢化の進展に伴う多様なニーズへの対応、そして厳しい財政状況の中で求められる行財政基盤の強化とか、行政運営の効率化など、今日的な課題に対応していくために必要であり、その受皿として、市町村合併や広域連合など、新たな行政の枠組みについての検討が必要になっていることは、私自身も認識をいたしております。全国的な傾向といたしましても、研究機関や新聞社などにより、合併に関するアンケートが多く実施されておりますが、内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会によるアンケートでは、全国の県知事、県議会の、実に94.5パーセント、市町村長や市議会の約3分の2の方々が、「将来を見通して、合併の検討が必要である」という意見を持っておられるということが報告されております。  しかしながら、平成7年の合併特例法の改正以降の全国の合併の事例は、平成7年の2件にとどまっており、またこれまでの住民発議による合併協議会の設置の状況を見ましても、住民発議総数56のうち10件だけしか、協議会設置に至っていないという現状でございます。こうした状況を見ますと、やはり合併の必要性は認識しているものの、その一方では、議員も挙げておられるとおり、合併によりその中心部と周辺部で地域格差が生じるとか、歴史や文化への愛着や地域の連帯感が薄れる。また、住民の声が施策に反映されにくくなる、あるいは、きめ細かなサービスの提供ができにくくなるのではといったことが指摘されたり、関係市町村間の行政サービスの水準や住民負担の格差の調整が難しいなど、現実には、様々な問題や懸念があるというのが、実情だと思われます。そうしたことから、先ほど申し上げました地方制度調査会のアンケートでは、多くが将来的に合併の検討が必要であるとしている一方で、議員のお話にありましたPHP総合研究所のアンケート結果が示すように、実際の検討ということになると、数字としては、あまり現れてこないというのが、現実の姿であろうと思われます。  いずれにいたしましても、この厳しい社会経済情勢の中で、地域の将来展望をどう切り開いていくか、当地域が全体として、総合的に発展していくためには、どうあるべきかということは非常に重要なテーマでございまして、広域連合や市町村合併といったより広い範囲での新たな行政の枠組みづくりについても、今後の社会の流れを見通し、また様々な問題や懸念を踏まえながら、我々首長や議員の皆様方はもちろん、広く住民の中で共々議論を重ねていくことが重要であると考えています。そうした意味からいたしましても、議員が実際に、積極的に議論を始めておられるということにつきましては、敬意を表するものでございます。私自身も、周辺首長さん方と機会をとらえて、今後の地域のあるべき姿について、意見交換、情報交換に努めているところでございまして、合併につきましても、あちこちで議論されていることも承知をいたしておりますが、当地域では、今のところ、それらの議論は大きなうねりとなるには至っていないのが現状ではないかと考えております。  しかしながら、住民が行政の在り方や地域の将来像などについて、様々な場で議論し、行動することは、まちづくりの基本であり、また今後、地方分権に対応していくための一層重要となるものであります。そうしたことから、本市は、広域圏の中心都市として、周辺町村との連携をより密にしながら、広い視野でのまちづくりに取り組み、地域全体の一体感を高めて参ることが重要でありまして、これまでも消防事務の受託や田辺広域圏観光総合情報システムの構築など、具体的な施策の展開に積極的に取り組んでいるところでございますが、今後もそうした取組を積み重ねて参りますことと併せて、新しい行政の枠組みづくりについて議論ができる環境の醸成に努めて参りたいと考えております。議員ご質問のございました住民発議による合併協議会の設置請求が出た場合に、どうするのかという点につきましては、住民自らが地域の将来像を描き、議論を重ねた結果でありますから、真摯に、また積極的に受け入れ、議論の和を広げていくように努めて参りたいと考えております。
     以上であります。              (市長 脇中 孝君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    20番、熊野芳和君。             (20番 熊野芳和君 登壇) ○20番(熊野芳和君)    ただいま市長からご答弁をいただきまして、市長自身、合併には積極的な推進の意思をお持ちであると理解したのでありますが、市中にも、あるいは周辺の町村の住民の中にも、賛成の意見もありますし、また消極的な考えを持っておられる方もあって、これらをまとめるということは、誠に至難であると思うのであります。しかし今後、市町村合併をめぐる論議が高まってくると、私は推測するのでありますが、そのことは、第一に、少子・高齢化など、我が国の今後の社会経済構造が大きく転換しようとする中で、行政ニーズが多様化、高度化し、住民に最も近く、総合的な行政主体である市町村が、適切に対応できる基盤を拡充することが求められているわけで、第二には、国、地方を通じた厳しい財政状況の中で、今後の地域づくりを進め、住民ニーズにこたえるための財政基盤の充実と行政の効率性の向上が求められている。第三に、地方分権の成果を十分に上げるために、基礎的地方公共団体である市町村が、一層重要な役割を果たすための体質の強化が求められていると、このような背景があると考えるからであります。このような要請に対して、私たちの地域がいかに反応、対応するかについて、十分な論議がもちろん必要であると思います。自分たちの地域について、自分たちで考え、そして今後の社会に最もふさわしい地域、行政の在り方を追求、論議していく、このことによって、真に自主的な合併につながっていくものと思うのであります。いずれにしても、事は急ぐ必要があります。悠長な構えを許さない時代の流れにあって、具体的な動きの活発化を期待しつつ、私たちの努力も求められます。新しい時代の田辺市とその周辺の町村は、まさしく一つの地域であります。行政界をなくし、文字通り一つの自治体地域となるべき時が来ていると申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。             (20番 熊野芳和君 降壇) ○議長(稲沢勝男君)    以上で、20番、熊野芳和君の一般質問は終了いたしました。  以上をもちまして、一般質問を終結いたします。  この場合、お諮りいたします。  本日の会議はこの辺にとどめ散会し、明12月16日午前10時から再開いたします。  これに異議ありませんか。              (「異議なし」の声あり) ○議長(稲沢勝男君)    異議なしと認めます。  よって、さよう決しました。 散 会 ○議長(稲沢勝男君)    それでは、本日はこれをもって散会いたします。  ご苦労さまでした。               (午後 2時48分)  地方自治法第123条第2項の規定により署名する。   平成10年12月15日                    議  長 稲 沢 勝 男                    議  員 家根谷   覚                    議  員 天 野 正 一                    議  員 浅 山   勉...